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仮想化

仮想化技術の活用

仮想化とは、コンピュータの資源をうまくやりくりする技術のことです。コンピュータの資源には、計算を行う能力、情報を記憶しておく容量、他のコンピュータと繋がるためのネットワーク接続などがあります。これらの資源を、実際に存在する物理的な機器から切り離して、ソフトウェアという目には見えない道具を使って、複数の仮想的な環境を作り出すのです。 例えるなら、一つの大きな箱の中に、ソフトウェアを使って複数の小さな箱を作り出すようなものです。この大きな箱が物理的なサーバーで、小さな箱が仮想サーバーです。それぞれの仮想サーバーは、まるで独立した小さな箱のように、それぞれ異なる命令系統(オペレーティングシステム)や作業手順(アプリケーション)を実行できます。 従来は、一つのサーバーには一つのシステムしか入れることができませんでした。一つの箱には一つの物しか入れられないのと同じです。しかし、仮想化技術のおかげで、一つのサーバーで複数のシステムを同時に動かすことができるようになりました。一つの大きな箱の中に、複数の小さな箱を入れて、それぞれ別の物を入れることができるようになったのです。 これにより、サーバーを有効に活用できるようになりました。大きな箱のスペースを無駄なく使えるようになったからです。また、サーバーの購入費用や電気代などのコスト削減にも繋がります。大きな箱一つで済むので、小さな箱をいくつも買う必要がなくなったからです。さらに、システムの管理や運用も効率化されます。複数の小さな箱をまとめて管理できるので、手間が省けるからです。 このように、仮想化は、限られた資源を最大限に活用するための、整理術のような技術と言えるでしょう。まるで魔法のように、一つのものから複数のものを作り出し、私たちのコンピュータの使い方を大きく変えた革新的な技術なのです。