
コンピューター起動の心臓部:MBR
電源を入れると、機器が目覚めるまでの間、実は様々な手順が踏まれています。表示画面の移り変わりを意識することは少ないかもしれませんが、その背後では多くの作業が進行しています。まず、電源のボタンを押すと、機器は記憶装置の中から特別な場所を探し始めます。この場所は「基本始動記録」と呼ばれ、機器の目覚めにとってなくてはならない情報がしまわれています。この記録は、いわば機器を目覚めさせるための指示書のようなものです。
この指示書には、機器を動かすための仕組みである基本命令群がどこに保存されているのかが書かれています。また、基本命令群を始めるための小さな仕組みもここに記録されています。この小さな仕組みは、基本命令群を読み込んで動かすための最初の合図のようなものです。機器は、この指示書に従って基本命令群を探し出し、読み込みます。
基本命令群は、機器全体を管理するための大きな仕組みです。この仕組みが動き出すことで、画面に様々な表示が現れたり、文字を入力できるようになったりします。基本始動記録は、この大きな仕組みを動かすための最初の鍵のような役割を果たしています。この鍵がないと、機器は目覚めることすらできません。
基本始動記録を読み込んだ後、機器は基本命令群を読み込み、様々な準備を始めます。画面に表示されるのは、この準備作業の一部です。例えば、記憶装置の状態を確認したり、繋がっている機器を認識したりといった作業が行われています。これらの準備が全て整って初めて、機器は普段私たちが使う状態になります。まるで、眠りから覚めて活動の準備をするかのように、機器も多くの手順を踏んで目覚めているのです。