Solaris

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ソフトウェア

Solaris:安定稼働の代名詞

太陽マイクロシステムズ社が生み出したソラリスは、頑丈で安定した動作で知られる、ユニックス系の基本ソフトです。高い信頼性が求められる大型計算機や仕事用計算機市場において、長年にわたり高い評価を得てきました。特に、金融機関や通信会社など、システムの停止が大きな損失に繋がる重要な社会基盤を支えるシステムにおいて、ソラリスは信頼の証として選ばれてきました。 その歴史は古く、太陽マイクロシステムズ社が設立された1982年に始まります。その後、改良を重ねながら現在に至ります。ソラリスは、単なる基本ソフトではなく、その信頼性と安定性によって、多くの企業の事業継続性を支える重要な役割を担ってきました。堅牢な設計思想に基づき、予期せぬエラーや障害発生時にも安定した動作を維持できるよう工夫されています。また、複数台の計算機を連携させて処理能力を高める仕組みや、障害発生時に備えた予備のシステムへの切り替え機能なども備えています。 ソラリスは、高い信頼性を実現するために、様々な技術を採用しています。例えば、動的に資源を割り振る技術により、システム全体の効率的な運用を可能にしています。また、厳格なエラーチェック機構により、問題発生を早期に発見し、迅速な対応を可能としています。さらに、セキュリティ面においても、高度なアクセス制御機能や暗号化技術などを用いて、システムを不正アクセスや情報漏洩から守ります。 ソラリスは、大型計算機や仕事用計算機だけでなく、家庭用計算機と互換性のある機種にも対応した版も提供されており、幅広い種類の計算機で利用できます。そのため、様々な規模や用途のシステムに柔軟に対応できます。このように、ソラリスは、信頼性、安定性、柔軟性を兼ね備えた基本ソフトとして、多くの企業から支持されています。
ソフトウェア

UNIX:安定性と信頼性の歴史

計算機が非常に高価で、一部の組織でしか利用できなかった時代、一九六〇年代後半に大型計算機が中心だった時代に、後に世界を変えることになる革新的な技術が生まれました。それは、ベル研究所で開発された「UNIX」と呼ばれる全く新しい種類の操作体系です。当時の計算機は、それぞれが独自の操作体系を持っており、異なる機種で動かすプログラムを作ることは大変な手間でした。プログラムを別の計算機で動かすには、最初から作り直す必要があったのです。この機種ごとの互換性の無さが大きな問題となっていました。 この問題を解決するために、ベル研究所の開発者たちは、様々な機種で同じように動く、移植性の高い操作体系を作ろうと考えました。彼らは、この新しい操作体系を開発するために、「C言語」という新しいプログラム言語を採用しました。C言語は、特定の機種に依存した命令をなるべく使わずにプログラムを書けるため、異なる機種でも比較的容易に動かすことができました。このC言語の採用が、UNIXの移植性を高める上で重要な役割を果たしました。 当時の計算機は、今と比べると処理能力や記憶容量が非常に限られていました。そこで、UNIXは、限られた資源でも効率的に動作するように設計されました。その結果、小型の計算機でも十分な性能を発揮することができ、大型計算機に比べてはるかに安価なシステムを構築することが可能になりました。この効率性と移植性こそが、UNIXが後に広く普及していくための大きな要因となりました。UNIXの登場は、計算機の歴史における大きな転換点となり、その後の技術発展に計り知れない影響を与えたのです。