
同期式DRAM:処理の効率を高める技術
同期式記憶装置、略して同期記憶装置は、計算機の心臓部である中央処理装置が刻む信号に合わせて動く記憶装置です。記憶装置は情報を一時的に保管する場所であり、この保管場所への情報の出し入れをより速く行うために同期記憶装置が開発されました。
従来の記憶装置では、情報を求める信号を送ってから実際に情報が読み書きされるまでに待ち時間が発生していました。これは、中央処理装置と記憶装置の足並みが揃っていなかったことが原因です。例えるなら、指揮者と演奏者の呼吸が合わず、演奏に遅れが生じるようなものです。
同期記憶装置では、中央処理装置の刻む信号に合わせて情報の出し入れを行うことで、この待ち時間を大幅に減らすことができます。指揮者と演奏者が完璧に息を合わせ、テンポの良い演奏を行うようなものです。これにより、情報の出し入れがスムーズになり、計算機全体の処理速度が向上します。
特に、画像処理や動画編集といった、大量の情報を扱う作業では、その効果は大きく、処理速度の向上は作業効率の向上に直結します。滑らかな動画再生や、複雑な画像編集も、同期記憶装置によって支えられています。まさに、現代の計算機には欠かせない存在と言えるでしょう。
同期記憶装置が登場する以前は、中央処理装置の処理速度の向上に記憶装置の速度が追いついていない状況でした。高速道路が整備されても、一般道が整備されていなければ渋滞が発生してしまうように、計算機全体の性能向上には、記憶装置の速度向上が不可欠でした。同期記憶装置の登場は、この問題を解決し、計算機全体の性能を大きく向上させる重要な役割を果たしました。