
ドボラック配列:タイピングの効率化
文字を打ち込むための道具として、パソコンに欠かせないのがキーボードです。キーボードには様々な種類があり、それぞれにキーの並び方が異なります。このキーの並び方を配列と呼びます。現在、最も広く使われているのはqwerty配列と呼ばれるものです。qwerty配列は、タイプライターが使われていた時代に、印字用の棒がぶつからないように工夫された配列です。しかし、この配列は必ずしも速く文字を打つための設計ではありません。
タイプライターは、印字用の棒がいくつも並んでいて、キーを押すとその棒が紙を叩いて文字を印字する仕組みでした。もし、隣り合ったキーを続けて押すと、棒がぶつかってしまい、うまく印字できません。qwerty配列は、このような問題を防ぐために、よく使われる文字の組み合わせをキーボード上で離して配置することで、棒がぶつかるのを防いでいました。
現代のパソコンでは、タイプライターのような物理的な制約はありません。そのため、qwerty配列よりも、より速く文字を入力できる配列がいくつか考案されています。その代表例がドボラック配列です。ドボラック配列は、qwerty配列とは異なり、人間工学に基づいて設計されており、ホームポジションに指を置いたまま、より多くの文字を打てるように工夫されています。
ドボラック配列では、使用頻度の高い文字が中央に集められており、指の移動距離を最小限に抑えることができます。qwerty配列に慣れている人にとっては、ドボラック配列への移行は最初は戸惑うかもしれませんが、練習を重ねることで、タイピング速度の向上や疲労軽減の効果が期待できます。qwerty配列は歴史的な経緯から広く普及していますが、必ずしも最適な配列とは言えません。効率的な文字入力を目指すのであれば、ドボラック配列のような代替配列も検討してみる価値があります。