
メモリーリーク:見えざるメモリーの泥棒
電子計算機は、様々な処理を行うために、記憶領域を必要とします。この記憶領域は一般的に「メモリー」と呼ばれ、電子計算機にとって必要不可欠な資源です。メモリーは、ちょうど調理場にある食器棚のようなものです。食器棚には限りがあり、たくさんの食器を置くことはできません。電子計算機も同様に、メモリーには限られた容量があり、一度に扱える情報量が決まっています。
プログラムが動作する際には、このメモリー上に必要な情報を一時的に保存します。これは、料理をする際に材料や調理器具を食器棚から取り出すのと似ています。料理が完成したら、使った食器や調理器具は洗って食器棚に戻しますよね。プログラムも同様に、処理が終わったら、使用していたメモリー領域を解放する必要があります。
しかし、プログラムに不具合があると、使い終わったメモリー領域を解放しない場合があります。これが「メモリーリーク」です。まるで、使った食器を洗わずに放置していくようなものです。最初は問題なく使える食器も、使い終わった食器が溜まっていくと、次第に食器棚がいっぱいになり、新しい料理を作り始めることができなくなります。
メモリーリークも同様に、使われなくなったメモリー領域が蓄積していくと、利用可能なメモリー容量が減少します。すると、電子計算機全体の動作が遅くなったり、新しいプログラムを起動できなくなったりします。さらに悪化すると、システム全体が停止してしまうこともあり、深刻な問題を引き起こす可能性があります。
メモリーリークは、プログラム作成時の小さなミスが原因で発生することがあります。そのため、プログラムを作る際には、メモリーの使い方に細心の注意を払い、使い終わったメモリー領域は必ず解放するように設計する必要があります。今回の解説では、このメモリーリークが発生する仕組みや、その影響、そして具体的な対策方法について、より詳しく説明していきます。