
MOディスク:過去の記憶媒体
皆さんは、エムオー(MO)という記憶装置をご存じでしょうか。少し前まで、電算機で大容量の情報を扱う際に広く使われていました。フロッピーディスクと同じように、薄い入れ物に入った円盤の形をしています。エムオーは、コンパクトディスク(CD)やデジタルバーサタイルディスク(DVD)が普及する前は、電算機の大容量記憶装置として主流でした。エムオーは、光と磁気の両方の技術を使って情報を記録しています。この特殊な記録方式から、書き換え可能な光磁気ディスクとも呼ばれています。今回は、エムオーの仕組みや特徴、歴史などについて詳しく説明します。
エムオーは、レーザー光線と磁力を組み合わせて情報を記録・再生します。記録する際は、まずレーザー光線でディスクの表面を温めます。温められた部分は磁気の影響を受けやすくなるため、そこに磁気ヘッドで磁場の変化を与えて情報を書き込みます。再生する際は、レーザー光線をディスクに当て、反射光の変化を読み取ることで情報を取り出します。この仕組みによって、CDやDVDよりも耐久性が高く、繰り返し書き換えが可能となっています。
エムオーは、フロッピーディスクよりもはるかに大きな容量を持つため、多くの情報を保存できました。そのため、業務用ソフトの配布やデータのバックアップなどに広く利用されました。また、書き換え可能であることから、データの更新や修正も容易に行えました。しかし、CDやDVDといった、より安価で大容量の記憶装置が登場したことで、徐々にその姿を消していきました。
エムオーは、電算機の進化における重要な役割を果たした記憶装置です。光と磁気を組み合わせた技術は、後の記憶装置の開発にも大きな影響を与えました。現在では、ほとんど使われなくなってしまいましたが、かつて電算機のデータ保存を支えていた、重要な技術であったことを覚えておいて損はないでしょう。