
ベクター画像:拡大しても劣化なし!
輪郭を線で描いたような絵をご想像ください。これが、ベクター画像と呼ばれる絵の仕組みの基礎となる考え方です。ベクター画像は、点と点を線で結び、その線で囲まれた領域を色で塗りつぶすという手順で描かれます。この点と線、そして色の情報は、全て数字で記録されています。
例えば、丸を描く場合を考えてみましょう。丸の中心点は座標(X, Y)で示され、円の半径も数字で指定されます。そして、これらの数字に基づいて計算された滑らかな曲線で輪郭が描かれ、指定された色で塗りつぶされます。
この仕組みが、ベクター画像の大きな特徴である拡大・縮小しても絵が劣化しないという利点につながります。普通の絵は、小さな色の点が集まってできています。この点を拡大すると、点の一つ一つが大きくなってしまい、絵がぼやけてしまいます。しかし、ベクター画像は違います。拡大する際には、保存されている数字の情報に基づいて、再度計算を行い、滑らかな曲線で輪郭を描き直すため、いくら拡大しても線の滑らかさや色の鮮やかさは変わりません。
会社の印や複雑な模様、図形などは、ベクター画像で作成されることが多く、鮮明さを保つ必要がある印刷物や画面表示に適しています。また、データの容量も比較的小さいため、様々な場面で活用されています。