FPU

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計算を速くするFPUの役割

計算機で扱う数値には、整数と小数点を含む数値があります。整数の計算は得意とする計算機でも、小数点を含む数値の計算は複雑で多くの処理能力を必要とします。そこで登場するのが浮動小数点演算装置、略してFPUです。FPUは、計算機の中で小数点を含む数値の計算を専門に行う装置です。 私たちが日常で使う計算機のように、FPUは足し算、引き算、掛け算、割り算といった基本的な演算をこなします。さらに、三角関数や指数関数、対数関数といった高度な計算も得意としています。これらの計算は、科学技術計算やコンピュータグラフィックス、ゲームなど、様々な分野で必要とされています。特に、これらの分野では大量の小数点を含む数値計算が実行されるため、FPUの性能が処理速度に直結します。FPUの性能が高いほど、計算が速くなり、より滑らかな映像表現やリアルなゲーム体験が可能になります。 FPUは、中央処理装置(CPU)に内蔵されている場合が多く、CPUからの指示を受けて計算を行います。CPUは計算機のあらゆる動作を制御する中核部分であり、FPUはその頭脳の一部としてCPUの計算能力を大幅に高める役割を担っています。例えるなら、CPUが全体を指揮する司令塔で、FPUは複雑な計算を専門に担当する参謀のような存在と言えるでしょう。FPUのおかげで、計算機は複雑な処理を高速に行うことができ、様々な分野で活躍できるのです。
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計算を支える縁の下の力持ち:浮動小数点数演算装置

計算機の世界では、数を扱う際に、整数と実数の二種類に大きく分けられます。実数は、小数点を含む数であり、例えば、円周率や気温など、日常生活でよく目にします。この実数を計算機で扱う際に用いられるのが、浮動小数点数と呼ばれる表現方法です。浮動小数点数は、数を「仮数部」と「指数部」という二つの部分に分けて表現します。 仮数部は、数の重要な部分、つまり有効数字を表します。例えば、3.14159という数であれば、314159が仮数部となります。一方、指数部は、小数点の位置を表し、10の何乗という形で表現されます。例えば、3.14159は、3.14159 x 10の0乗と表すことができ、0が指数部となります。また、0.000314159は、3.14159 x 10の-4乗と表すことができ、-4が指数部となります。 このように、浮動小数点数を使うことで、小数点の位置を自由に動かす、つまり「浮動」させることができるため、非常に大きな数や非常に小さな数を効率的に表現できます。例えば、宇宙の広さを表す光年や、素粒子の大きさを表す極めて小さな数も、この浮動小数点数によって表現できます。もし、整数だけでこれらの数を表現しようとすると、非常に多くの桁数が必要となり、計算機の記憶容量を圧迫してしまうでしょう。 日常生活で目にする数はもちろんのこと、科学技術計算やシミュレーションなど、様々な分野で実数を扱う必要があり、整数だけでは表現できないこれらの実世界の様々な数値を計算機で扱うために、浮動小数点数はなくてはならない存在と言えるでしょう。浮動小数点数の理解は、計算機がどのように実数を扱っているかを理解する上で非常に重要です。
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計算を高速化:浮動小数点コプロセッサー

計算機の中にある浮動小数点コプロセッサーは、小数点を含む数(浮動小数点数)の計算を専門に担当する部品です。この浮動小数点数は、科学技術の計算や画面に絵を描く処理などでよく使われます。 これらの計算は複雑で、処理に時間がかかるため、コプロセッサーを導入することで、主な処理装置(中央処理装置、CPU)の負担を軽くし、処理速度を速めることができます。 例えるなら、会社でいえば、CPUは社長、コプロセッサーは経理部長のようなものです。社長は会社の全ての業務を管理しますが、経理部長は会社の金銭管理や会計処理に専念することで、社長の負担を軽くし、会社全体の効率を高めます。 同じように、コプロセッサーは浮動小数点計算に特化することで、CPUが他の仕事に集中できるようにし、計算機全体の性能を高めます。 浮動小数点数は、小数点を数の途中に置くことで、とても大きな数やとても小さな数を効率的に表すことができます。しかし、この表現方法のために計算は複雑になり、CPUだけでは処理に時間がかかってしまいます。そこで、コプロセッサーはCPUの負担を軽減するために、この複雑な浮動小数点計算を専門に処理します。 近年は、多くのCPUに浮動小数点演算機能が組み込まれています。それでも、高度な計算が必要な場面では、専用のコプロセッサーが重要な役割を果たしています。特に、3次元画像処理や科学技術シミュレーションなどの分野では、コプロセッサーの高速処理能力が不可欠です。まるで、会社の規模が大きくなり、経理業務が複雑化した際に、経理部を拡充し、専門家を配置するようなものです。これにより、会社全体の業務効率はさらに向上するでしょう。
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計算機の心臓部:浮動小数点演算ユニット

計算機の中にある部品、浮動小数点演算装置。これを縮めて呼ぶ時は、浮動小数点演算器とも言います。この装置は、実数と呼ばれる種類の数を扱う計算を専門に担当しています。実数とは、整数だけでなく、小数点以下の部分を持つ数や、とても大きな数、とても小さな数を含む数の種類です。例えば、円周率のように無限に続く小数や、科学技術の計算でよく使われる、とても大きな数や小さな数など、実数は私たちの身の回りにたくさんあります。 これらの実数を素早く、そして正確に処理するために、浮動小数点演算装置は欠かせない部品となっています。もし、この装置がなかったら、複雑な計算にとても長い時間がかかってしまい、現代の科学技術や情報を処理する仕組みは成り立ちません。例えば、天気予報を計算するにも、膨大な量の計算が必要ですが、浮動小数点演算装置のおかげで、私たちは毎日、天気予報を見ることができるのです。 浮動小数点演算装置は、実数を特別な形で表すことで、様々な大きさの数を効率的に扱えるようにしています。この特別な形のことを、浮動小数点表現と言います。浮動小数点表現は、数を仮数部と指数部の組み合わせで表します。仮数部は、数の大きさ、指数部は、小数点の位置を表します。この仕組みにより、とても大きな数や小さな数を、限られた桁数で正確に表すことができます。 浮動小数点演算装置は、現代の計算機にとって、まさに心臓部と言えるでしょう。パソコンやスマートフォン、ゲーム機など、様々な電子機器の中で、静かに、しかし重要な役割を担っています。私たちが普段使っている様々なサービスや技術の背後には、この小さな装置の活躍があることを忘れてはいけません。
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処理を分担!コプロセッサの役割

補助処理装置とは、計算機の頭脳である中央処理装置(中央演算処理装置)の働きを助ける装置のことです。中央演算処理装置は計算機全体の制御を行う主要な処理装置ですが、全ての処理を中央演算処理装置だけで行うのは、処理能力に限界があります。そこで、特定の処理に特化した補助処理装置を導入することで、中央演算処理装置の負担を軽くし、計算機全体を速く動かすことができるのです。 中央演算処理装置は、例えるなら何でも屋です。様々な仕事をこなせますが、特定の専門的な仕事は、その道の専門家である補助処理装置に任せた方が効率が良い場合があります。例えば、絵の処理や音の処理、情報の暗号化などは、中央演算処理装置にとって負担が大きい処理です。これらの処理を補助処理装置に任せることで、中央演算処理装置は他の重要な処理に集中できます。 補助処理装置を使う利点は、計算機全体の処理速度の向上です。中央演算処理装置が抱えていた負担を軽減することで、他の処理が滞りなく行えるようになり、結果として全体の処理能力が向上します。また、補助処理装置は特定の処理に特化して作られているため、その処理に関しては中央演算処理装置よりも高速に処理できる場合もあります。 道路の交通整理に例えてみましょう。中央演算処理装置が全ての車両の通行を管理する信号だとすると、補助処理装置は特定の種類の車両や、特定の方向へ進む車両を誘導する、補助的な信号のような役割を果たします。これにより、全体の交通の流れがスムーズになるのです。このように、補助処理装置は計算機の中で重要な役割を担っており、計算機の性能向上に大きく貢献していると言えるでしょう。