Ecma International

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情報技術標準化の立役者:Ecmaインターナショナル

電気通信と家庭用電化製品の技術に関する世界規模の標準化団体である、エクマインターナショナルについてご紹介します。この団体は、様々な技術の基準を作るだけでなく、技術がうまく繋がるようにするための指針も提供しています。本部はスイスのジュネーブにあり、世界中の会社、政府、大学、その他関係者と協力して、開かれた公正で明瞭な標準化活動を進めています。 エクマインターナショナルの活動は、ただ基準を作るだけではありません。技術の新しい工夫を促し、世界規模での技術協力の土台作りも担っています。私たちの日常で使われている多くの技術に影響を与え、電子社会の発展に貢献しています。例えば、広く使われているプログラム言語である「じゃばすくりぷと」の標準化も手がけています。これは、ウェブ開発の土台を作り、今日のインターネットの発展に大きく貢献した重要な成果です。 さらに、情報の圧縮技術や情報の保管、使いやすさ、環境保護など、幅広い分野での標準化活動も展開しています。具体的には、情報のやり取りをスムーズにするための通信手順や、情報を安全に守るための暗号化技術、機器の省電力化などを推進しています。これらの活動は、私たちの生活をより便利で安全なものにするための重要な役割を担っています。 エクマインターナショナルの会員は、情報技術業界の主要な会社や研究所、団体など様々です。会員はそれぞれの知識や経験を共有し、より効果的な標準化活動を推進しています。また、一般の人々からの意見も広く集め、様々な視点を参考に、より実用的で多くの人に受け入れられる基準作りを目指しています。このように、エクマインターナショナルは、開かれた協力的な方法で情報技術の進化を支えています。
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情報技術の標準化団体ECMA

昭和三十六年、電子計算機はまだ広く使われ始めたばかりの時代でした。計算機の技術を進歩させ、様々な機種が互いに使えるようにするために、ヨーロッパの計算機を作る会社が集まり、欧州電子計算機工業会(略称ECMA)が設立されました。この会は、異なる会社が作った計算機同士でデータのやり取りや計算手順の共有を簡単にできるようにすることで、使う人の便利さを高め、市場を広げることを目指していました。 当時の電子計算機は、機種ごとに作り方がバラバラで、データのやり取りや計算手順の共有がとても難しい状態でした。例えば、ある会社の計算機で使っていたデータが、別の会社の計算機では全く使えないといった問題が頻繁に起こっていました。また、同じ計算をするにしても、機種ごとに計算手順を書き直す必要があり、大変な手間がかかっていました。このような状況は、計算機を使う人にとって大きな負担となるだけでなく、計算機産業全体の成長を阻害する要因にもなっていました。 ECMAは、みんなが共通して使える規格を作ることで、これらの問題を解決しようとしました。異なる機種間でデータのやり取りがスムーズにできるようになれば、計算機を使う人は機種の違いを気にすることなく、様々な計算機を利用できるようになります。また、計算手順を一度作れば、様々な機種で使えるようになれば、計算手順を作る手間も大幅に省けます。ECMAは、このような共通規格を作ることで、計算機産業が健全に成長していくための土台作りを目指したのです。共通の規格によって、技術の進歩が加速し、新しい製品やサービスが次々と生まれることが期待されました。そして、計算機がより多くの人々に使われるようになり、社会全体の進歩に貢献していくことをECMAは願っていました。