
二つの頭脳:計算能力を倍増
二つの処理装置を搭載した計算機システムは、処理能力を大きく向上させることができます。この仕組みは「二つの処理装置」という意味を持つデュアルプロセッサー(略してDP)と呼ばれています。
処理装置は、計算機システムにおけるいわば頭脳です。人が考えたり、指示を出したりする脳のように、計算機システムの中で様々な計算をしたり、命令を実行したりする重要な役割を担っています。もしもこの頭脳が二つあれば、どうなるでしょうか。
一つ目の頭脳で計算をしている間に、二つ目の頭脳で別の計算を始めることができます。これは、複数の仕事を同時に行うようなものです。例えば、表計算の処理をしながら、同時に文章の作成を行うといったことが可能になります。また、一つの大きな仕事を二つに分けて、それぞれの頭脳で同時に処理することもできます。これは、共同作業で仕事を分担して行うようなものです。例えば、大きな画像の処理を二つの処理装置で分担することで、処理時間を大幅に短縮することができます。
近年、情報処理技術はますます高度化し、扱う情報量は爆発的に増えています。それに伴い、膨大な量の情報をいかに高速に処理するかが重要な課題となっています。DPは、このような高度な情報処理の要求に応えるための重要な技術の一つであり、今後ますますその重要性が増していくと考えられます。