
懐かしいDOSの世界
遠い昔、計算機がまだ高価で、限られた人しか持つことができなかった時代がありました。画面は黒く、そこに白い文字だけが映し出される、質素なものでした。これが、円盤操作体系、略してドスの画面です。マイクロやわらかい社が作ったエムエスドスは、計算機の始まりを支えた重要な存在でした。
計算機を使うには、文字盤から直接命令を入力する必要がありました。文字や数字を打ち込むことで、書類を整理したり、様々な処理を実行させたりしていました。今でこそ広く使われている、画面上の矢印を動かす道具はまだ一般的ではなく、全ての操作は文字盤で行っていました。画面には文字しか表示されないので、目で見て分かる情報も限られていました。
しかし、見た目は簡素でも、ドスは計算機を動かすための様々な機能を持っていました。今のように、絵や図を使った分かりやすい画面ではありませんでしたが、命令を覚えることで、計算機を自在に操ることができたのです。まるで不思議な呪文を操る魔法使いになったような気分でした。当時は、計算機に詳しい人ほど、たくさんの命令を覚えており、周囲から尊敬されていました。
例えば、書類を複製するには「コピー」という命令を使います。書類の名前と、複製したものをどこに保存するかを指定することで、簡単に複製ができました。他にも、書類を削除する「デリート」、書類の中身を見る「タイプ」、書類を移動する「ムーブ」など、様々な命令がありました。これらの命令を組み合わせることで、複雑な処理も自動的に行うことができました。まるで、計算機に言葉を教えて、思い通りに動かすような感覚でした。
今のように、誰でも簡単に計算機を使える時代からは想像もできないかもしれませんが、ドスは計算機をより身近なものにするための、大きな一歩だったのです。