
設計を支援するコンピューター技術
設計図を描くことを支援する道具として、今ではなくてはならないものとなっているのが、計算機支援設計です。よく使う名前として「キャド」という言葉で知られています。その名の通り、計算機を使って設計作業を助けるもので、従来、人が手で設計図を描いていた作業を計算機上で行うことで、作業の効率を大きく上げることができます。
以前は、製図板に鉛筆やインクを使って図面を作成していました。線を引くにも、定規やコンパスなどの道具を使って慎重に作業を進める必要がありました。また、修正が発生した場合には、消しゴムで消したり、線を書き直したりと、多くの手間と時間がかかっていました。計算機支援設計を用いることで、これらの作業を画面上で行うことができるようになり、修正も容易になりました。また、図面の正確さも格段に向上しました。
計算機支援設計の利点は、効率化と正確さだけではありません。計算機上で設計を行うため、立体的な模型を作ることも容易です。様々な方向から形を確かめたり、実際に物がどのように動くかを想定した模擬実験を行うこともできます。これにより、設計段階で問題点を発見し、修正することができるため、製品全体の質の向上と開発にかかる時間の短縮に繋がります。
つまり、計算機支援設計は、設計の効率化・正確さの向上・質の向上・開発期間の短縮といった様々な利点をもたらす、現代の設計には欠かせない技術です。これから、計算機支援設計の基礎的な知識や、その利点、そして今後の発展について、広く説明していきます。