
ホットスタンバイで安心のシステム運用
情報処理の仕組みは、今の世の中ではなくてはならないものとなっています。なくてはならないものだからこそ、処理を滞りなく続けることが会社の仕事や人々の暮らしに大きく関わってきます。しかし、どんなにしっかりとした仕組みを作っても、思いもよらない不具合を完全に防ぐことはできません。そこで、仕組みの不具合が起きた時に素早く復旧するため、様々な対策方法が使われています。その中でも、常に待機している予備の仕組みを用意しておく方法は重要な役割を担っています。
この方法は、メインで動いている仕組みと同じ仕組みを予備として常に動かしておき、メインの仕組みに不具合が起きた際に、すぐに予備の仕組みに処理を引き継ぐことで、仕事への影響をできるだけ少なくするものです。メインの仕組みが動いている横で、予備の仕組みも常に動いている状態なので、切り替えにかかる時間が非常に短く、ほぼ中断することなく処理を続けられます。このため、金融機関の現金自動預け払い機や公共の交通機関の運行管理システムなど、一刻も停止することが許されない重要な仕組みで広く使われています。
この方法には、処理をほぼ中断させない他に、予備の仕組みを使って定期的に訓練を行うことができるという利点もあります。訓練を行うことで、実際に不具合が起きた際の対応手順を確認し、担当者の習熟度を高めることができます。しかし、導入時には、予備の仕組みを用意するための費用や運用管理の手間など、いくつかの注意点に配慮する必要があります。費用面では、同じ仕組みを2つ用意する必要があるため、どうしてもコストが増加してしまいます。また、運用管理面でも、2つの仕組みを常に同じ状態に保つ必要があるため、管理の手間が増えます。これらの注意点も踏まえつつ、この方法は、重要な仕組みを守る上で非常に有効な手段と言えるでしょう。