
符号化:データ変換の仕組み
情報を伝える時や、情報をしまい込む時には、元の形のままでは都合が悪いことがよくあります。例えば、外国の人に手紙を書くとき、自分の国の言葉だけでは読んでもらえません。そこで、相手の国の人が分かる言葉に書き直す必要があります。このように、ある情報を別の形に変換することを、符号化と言います。
符号化は、コンピュータの世界でもとても大切な役割を担っています。コンピュータは、数字の列しか理解できません。そのため、私たちが普段使っている文字や画像、音声などは、すべて数字の列に変換されて処理されています。例えば、「あ」という文字も、コンピュータの中では特定の数字に置き換えられて保存されています。この文字を数字に変換する作業も、符号化の一種です。
動画や音楽なども同じです。これらのデータは、そのままではファイルサイズが大きくなりすぎて、保存や転送に時間がかかってしまいます。そこで、ファイルサイズを小さくするために、特別な方法で符号化を行います。これが、いわゆる圧縮と呼ばれる技術です。圧縮されたデータは、元の形に戻せるように工夫されています。
また、秘密の情報を他の人に見られないようにする場合にも、符号化が使われます。この場合は、特別な方法で情報を暗号化することで、許可された人だけが元の情報を見られるようにします。暗号化も、符号化の一つの形です。
このように、符号化は情報を様々な形に変換することで、情報のやり取りや保存、管理をスムーズに行うために欠かせない技術なのです。