電子材料

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今はなき電子材料の雄、EMAJ

日本の経済が大きく成長していた時代、家電や計算機といった電子機器が世界中で評判となり、日本は「電子機器の強国」と呼ばれるようになりました。この発展を陰で支えていたのが、電子機器の中の小さな部品や材料の技術革新です。より小さく、高性能な製品を作るためには、部品や材料の質を高め、どの会社で作っても同じ品質になるようにすることが必要でした。 そこで、電子材料を作る会社が集まり、技術を一緒に研究したり、品質の基準を統一したりするために、電子材料の会社が集まって「日本電子材料工業会」を作りました。この組織は、略して「電材工会」と呼ばれることもあります。電材工会は、国内向けの品質基準作りや、世界共通の基準作りにも参加しました。他にも、技術に関する知識を共有したり、技術者を育てるといった活動も行いました。 電材工会が設立された当時、電子機器はどんどん小型化し、高性能になっていました。携帯電話や小型の計算機などが登場し、人々の生活は大きく変わろうとしていました。このような時代の変化の中で、電材工会は電子材料の品質向上と安定供給に力を入れ、日本の電子産業を支える重要な役割を果たしました。 電材工会は、各社が別々に研究開発を行うよりも、協力して進める方が効率的だと考えました。共通の課題を解決することで、業界全体の技術力を高め、国際競争力を強化できると考えたのです。また、標準化を進めることで、製品の互換性を高め、消費者にとって使いやすい製品開発にも繋がると期待されました。 このように、電材工会は日本の電子産業の発展に大きく貢献することを目指し、様々な活動を行いました。そして、その活動は電子機器の発展だけでなく、人々の生活の向上にも繋がったと言えるでしょう。