ネットワーク 個人間接続:P2Pの基礎と応用
対等な関係性、つまり横並びの関係を持つコンピュータ同士が、間に立つ仲介者を必要とせずに、直接やり取りを行うことを「対等の者同士の通信網」と呼びます。これは、データの送受信や共有をスムーズに行うための新しい通信の仕組みです。従来の通信方式では、中心となる大きなコンピュータ(サーバ)が存在し、その他のコンピュータ(利用者側)はこのサーバに接続してデータを受け取っていました。例えるなら、図書館の利用者が、中央にある貸出カウンターを通じて本を借りるような形です。しかし、この方式には問題点がありました。サーバにアクセスが集中すると、処理が追いつかなくなり、全体の速度が遅くなる、いわゆる「渋滞」が発生してしまうのです。また、サーバが故障してしまうと、システム全体が停止してしまうリスクもありました。対等の者同士の通信網では、それぞれのコンピュータが利用者であると同時に、サーバの役割も担います。図書館の例で言えば、利用者同士が直接本を貸し借りするようなイメージです。特定のコンピュータに負担が集中することがないため、全体として安定した通信が可能になります。あるコンピュータが故障しても、他のコンピュータは影響を受けずに通信を続けられるため、システム全体の頑丈さも向上します。さらに、対等の者同士の通信網は、特定の管理者や組織に管理されることなく運用できます。従来のように中央集権的に管理されていないため、自由で開かれた通信環境を実現できます。これは、情報の入手しやすさを向上させ、様々な考え方や知識の交換を活発にする力も秘めていると言えるでしょう。まるで、地域の人々が集まって自由に情報を交換する掲示板のような、活発なコミュニケーションを生み出す可能性を秘めているのです。
