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エルモード:過ぎ去りし時代の簡易インターネット

「エルモード」とは、かつて東西の電話会社が提供していた、家庭向けの新しい情報サービスのことです。一家に一台、黒い電話が普及している時代に、このエルモードは専用の機械を使って、電話線や高速通信の回線を通じて様々な情報を届けてくれました。 当時は、家にあるパソコンや、今で言う携帯電話を持っている人はまだ少なく、誰でも簡単に情報網に繋がる手段は限られていました。そんな中、エルモードは特別な機械さえあれば、誰でも手軽に情報に触れられる画期的な手段だったのです。特に、パソコンを持っていない人や、情報網の使い方に慣れていない人にとっては、エルモードはまさに福音でした。 エルモードの機械は、テレビに繋いで使います。画面には、天気予報やニュース、暮らしに役立つ情報などが表示され、専用のボタンを使って操作する仕組みでした。また、簡単な手紙のやり取りのようなものも、このエルモードで出来てしまう優れものでした。まるで、テレビと電話と情報網を一つにまとめたような、そんな便利な機械だったのです。 しかし、技術の進歩は目覚ましく、エルモードよりももっと速く、もっとたくさんのことができる情報網の繋げ方が登場しました。今では一家に一台どころか、一人一台、小さな携帯電話で簡単に情報網に繋がる時代です。そのため、エルモードは次第に活躍の場を失い、姿を消していきました。 エルモードは、情報網がまだ限られた人しか使えなかった時代に、多くの人に新しい情報の世界への扉を開いてくれた、大切な役割を果たしたと言えるでしょう。今ではもう見かけることはありませんが、かつての技術革新を象徴する存在として、記憶にとどめておく価値があるでしょう。