紫外線

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ハードウエア

紫外線消去型ROM:UV-EPROM

計算機の世界では、情報を記憶しておく部品が欠かせません。たくさんの種類がありますが、中でもROMと呼ばれる部品は、記録されている情報を読み出すことだけができます。書き込んだり消したりはできません。まるで図書館の本のように、読むことはできますが、書き換えたり消したりすることはできないのです。 今回お話するのは、このROMの中でも少し変わったUV-EPROMというものです。UV-EPROMは、紫外線という目に見えない光を使って情報を消すことができる特別なROMです。つまり、一度書いた情報でも、紫外線を当てれば消して、また別の情報を書き込むことができるのです。 この機能は、小さな計算機が組み込まれた製品の開発で特に役立ちます。例えば、新しいお掃除ロボットを作っているとしましょう。ロボットの動き方を決める手順を書き込んだUV-EPROMをロボットに組み込んで、実際に動かしてみます。もしロボットの動きがおかしかったら、手順を書き直す必要があります。そんな時、UV-EPROMなら紫外線で手順を消して、新しい手順を書き込むことができます。普通のROMでは、一度書き込んだら変更できないので、毎回新しいROMを作る必要があり、時間もお金もかかってしまいます。 UV-EPROMの上部には、小さな窓が付いています。この窓から紫外線を当てることで情報を消すことができるのです。まるで、太陽の光を浴びてリフレッシュするかのように、紫外線で情報を消して、また新しい情報を書き込むことができるのです。 このように、UV-EPROMは、情報の書き換えができるROMとして、様々な機器の開発に役立っています。書き換えができることで、開発期間の短縮やコスト削減にも貢献している、大変便利な部品なのです。