
快適なパソコン生活、断片化解消のススメ
計算機の記憶装置は、図書館の書架に例えることができます。書架に本を整理するように、ファイルは記憶装置の区画に保存されます。新しいファイルを作ったり、既存のファイルを書き換えたりすると、計算機は空いている区画を探してデータを書き込みます。しかし、幾度もファイルの書き換えや削除を繰り返すと、記憶装置内には小さな空き区画が散らばるようになります。これは、図書館で本の出し入れを頻繁に行ううちに、書架に隙間ができてしまう状況に似ています。このような状態をファイルの断片化と呼びます。
ファイルが断片化すると、一つのファイルのデータが記憶装置の複数の場所に分散して保存されることになります。そのため、ファイルを読み込む際に、計算機はあちこちの場所からデータを集めなければなりません。これは、図書館で一冊の本がバラバラに置かれていたら、読むのに時間がかかってしまうのと同じです。断片化したファイルを全て読み込むには、多くの時間を要するため、計算機の動作が遅くなります。例えば、大きな動画ファイルの再生がスムーズにいかない、計算機の起動に時間がかかる、といった問題が起こる可能性があります。
また、断片化が進むと、新しいファイルを作る際に、十分な大きさの空き区画が見つかりにくくなります。小さな空き区画を繋ぎ合わせて使うため、さらに断片化が進行するという悪循環に陥る可能性もあります。これは、図書館で書架の隙間を埋めるように、小さな本をたくさん詰め込むようなものです。結果的に、断片化は計算機の処理能力を低下させる大きな要因の一つと言えるでしょう。断片化を解消するためには、計算機に備わっている機能や専用の整理整頓道具を使うことで、断片化したファイルを再配置し、記憶装置内のデータを整理することができます。