
BNF記法:プログラム言語の設計図
「バッカス・ナウア記法」は、略して「ビーエヌエフ記法」と呼ばれ、プログラムを書き表す言葉の文法をきちんと決めるための特別な書き方です。この名前は、この書き方を考えたジョン・バッカスさんとピーター・ナウアさんにちなんで付けられました。バッカスさんは「アルゴル」というプログラムの言葉を作ることに携わっていました。ナウアさんは、バッカスさんの考え方を発展させて、「アルゴル60」という言葉の文法を書き表すのに使いました。
この書き方を使うと、プログラムの言葉の規則を分かりやすく、簡潔に書き表すことができます。そのため、プログラムを機械の言葉に翻訳する「翻訳機」や、プログラムを直接実行する「実行機」を作るのに欠かせない道具となっています。私たち人間が使う言葉では、あいまいな表現がよくありますが、この書き方を使うことで、機械が理解できるはっきりとした規則を作ることができます。これにより、プログラムの言葉の設計と、実際に使えるようにすることが大きく変わりました。
ビーエヌエフ記法は、ただの書き方ではありません。プログラムの言葉の設計の考え方を具体的にしたものなのです。その影響は、今の計算機科学に深く関わっています。言葉の構造をはっきりさせることで、プログラムを作る人がその言葉を理解しやすくなるだけでなく、翻訳機を作る作業も簡単になりました。ビーエヌエフ記法は、プログラムを作る人にとって分かりやすいだけでなく、機械にとっても分かりやすい言葉を作るための重要な役割を果たしているのです。