
xDピクチャーカード:小さな記録媒体
写真をとる機械である、デジタルカメラが広く使われ始めた二十一世紀初頭、写真の情報を保存するための道具は、コンパクトフラッシュやスマートメディアといったものが中心でした。しかしながら、これらの保存道具は、どんどん小さくなっていくデジタルカメラにとっては少し大きいという問題がありました。そこで、オリンパスと富士フイルムという二つの会社が協力して、もっと小さく、デジタルカメラに合う保存道具として、xDピクチャーカードを作りました。当時、小さくて、電池の持ちが良いことが求められていたデジタルカメラの需要に応えるため、xDピクチャーカードは、それまでの保存道具よりも小さく、軽く作られました。
このxDピクチャーカード誕生以前は、デジタルカメラは比較的大型の記録媒体に合わせた設計が必要でした。コンパクトフラッシュやスマートメディアといった記録媒体は、容量は大きくても、物理的なサイズがネックになっていました。これらの記録媒体を使う以上、デジタルカメラもある程度の大きさが必要であり、携帯性という面では限界がありました。
xDピクチャーカードは、それまでの記録媒体と比べて非常に小さかったため、デジタルカメラの設計に自由度が生まれました。カメラ本体をより小さく、軽くすることが可能になり、携帯性が飛躍的に向上しました。また、xDピクチャーカードは低い電力で動作するため、デジタルカメラの電池寿命の向上にも貢献しました。これは、屋外で長時間使用する際に大きなメリットとなりました。
つまり、xDピクチャーカードの登場は、デジタルカメラの小型化・軽量化・省電力化という三つの進化を同時に実現させた、重要な出来事だったのです。この小さな記録媒体が、デジタルカメラの進化を大きく後押しし、人々の写真撮影を取り巻く環境を変えていったと言えるでしょう。