
論理フォーマット:記憶装置の準備
論理フォーマットとは、コンピューターの中に情報をしまっておく装置、特にハードディスクのような円盤型の記憶装置を使えるようにするための大切な準備作業です。この作業は、記憶装置をまっさらな状態にする手順である初期化作業の中で、二番目に行われる作業にあたります。最初の作業であるローレベルフォーマットでは、記憶装置を物理的に細かく区切りますが、論理フォーマットでは、区切られた一つ一つの場所に、情報を管理するために必要な目印を書き込みます。
この目印のおかげで、コンピューターの頭脳である基本ソフトは、どこにどんな情報があるのかを理解し、情報を記録したり、読み出したりすることができるようになります。例えるなら、区画整理されていない土地に、住所を割り振って整理するようなものです。一つ一つの区画に住所が割り振られていないと、どこに誰の家があるのか分からず、手紙を配達することもできません。同じように、論理フォーマットを行っていない記憶装置は、どこに情報を書き込めばいいのか分からず、私たちがコンピューターで作成した文書や写真などを保存することができません。
論理フォーマットで書き込まれる目印には、大きく分けて、ファイルシステム情報、ブートセクタ情報、ルートディレクトリ情報などがあります。ファイルシステム情報とは、情報を整理するためのルールのようなものです。ブートセクタ情報とは、コンピューターを起動するために必要な情報が書かれた場所で、ルートディレクトリ情報は、いわば情報の保管場所の入り口にあたります。これらの情報が揃うことで、はじめて記憶装置は情報を適切に管理し、読み書きできる状態になります。ですから、論理フォーマットは、記憶装置を動かす上で欠かせない大切な作業と言えるでしょう。