人工衛星

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ネットワーク

暮らしを彩る放送衛星

私たちが日々楽しんでいるテレビ番組。その番組を遠く離れた宇宙から送ってくれているのが放送衛星です。地上にある放送局では、番組を電波に乗せて空に向かって発信しています。この電波を宇宙空間でキャッチするのが放送衛星です。放送衛星は、地上から送られてきた電波を増幅し、再び地上に向けて送り返す役割を担っています。まるで空に浮かぶ巨大な中継地点のような働きをしています。 この仕組みのおかげで、遠く離れた場所に住んでいる人でも同じ番組を同じ時間に楽しむことができます。山間部や離島など、地理的な条件によって電波が届きにくい地域でも、放送衛星からの電波を受信することで、都市部と同じように鮮明な映像と音声の番組を視聴できるのです。全国どこでも同じ番組を見られるという便利さ、これが放送衛星のもたらす大きなメリットの一つです。 また、放送衛星にはもう一つ大きな利点があります。それは、天候に影響されにくいということです。雨や雪など、天候が悪いと地上波放送の電波は弱くなってしまい、映像が乱れたり、音が途切れたりすることがあります。しかし、放送衛星からの電波は天候の影響を受けにくいため、安定した受信が可能です。災害時など、地上波放送が途絶えてしまうような状況でも、放送衛星からの情報発信は途絶えることなく、重要な役割を果たします。 このように、放送衛星は私たちの暮らしを豊かにし、安全安心にも貢献している、まさに空からの贈り物と言えるでしょう。
インフラ

GPS:位置情報の取得

人工衛星を使った位置を知る仕組み、それが全地球測位組織です。これは、どこでも自分の場所が正確にわかる優れものです。もともとは、軍隊が使うためにアメリカで考え出されました。今では、飛行機や船の案内、車の道案内など、様々なところで使われています。携帯電話にも入っていて、私たちの生活には欠かせないものになっています。 この仕組みは、たくさんの人工衛星が地球の周りを回っていることで成り立っています。これらの衛星は、いつも決まった場所から電波を地球に送っています。携帯電話などは、その電波を受け取ることで、衛星との距離を測ることができます。そして、3つ以上の衛星からの距離がわかれば、地球上のどこにいるのかを正確に知ることができるのです。 全地球測位組織を使うための特別な装置は必要ありません。電波を受け取る機能があれば、誰でも無料で使うことができます。ただし、高い建物に囲まれた場所やトンネルの中など、電波が届きにくい場所では、正しく位置を知ることができないこともあります。また、電池の残量が少ないと、うまく動かないこともありますので注意が必要です。 この技術は、私たちの生活を大きく変えました。知らない土地でも迷わず目的地にたどり着けるようになったり、緊急時に助けを求めることができるようになったり、安全で便利な暮らしを支えています。これからも、さらに進化していくことが期待される、とても大切な技術です。 ちなみに、「全地球測位組織」は英語で「global positioning system」と言い、略して「GPS」と呼ばれています。