
いまさら聞けないVANとは?
昔は、会社同士で書類をやり取りするには、紙に書いて郵送したり、ファックスを使ったりしていました。時間もお金もかかって大変でした。そこで、もっと早く簡単に書類をやり取りできるようにと登場したのが、付加価値通信網と呼ばれるVANです。VANは、電話線などの既存の通信設備を使って、単に情報を送るだけでなく、様々な便利な機能を提供していました。
VANの大きな役割の一つは、会社によって異なる書類の様式を統一することでした。例えば、A社は注文書をある形式で作成し、B社は別の形式で作成していたとします。VANは、これらの異なる形式の注文書を、共通の形式に変換して送受信することで、会社同士がスムーズに情報をやり取りできるようにしていました。まるで、異なる言葉を話す人同士に通訳がいるようなものです。
VANは情報の安全を守る役割も担っていました。重要な書類が盗まれたり、改ざんされたりするのを防ぐため、VAN事業者は、独自の通信網と計算機センターを保有し、厳重な管理体制を敷いていました。これにより、企業は安心してVANを使って重要な情報をやり取りすることができたのです。
インターネットが普及する前は、VANは会社同士の情報交換になくてはならない存在でした。注文書の送受信や請求書のやり取りなど、様々な業務でVANが活用され、多くの会社がVANのおかげで仕事の効率を上げることができたのです。今では、当たり前に電子データのやり取りを行っていますが、当時はVANの登場が画期的な出来事だったのです。