
負荷テスト:システムの限界を探る
多くの利用者が同時にシステムを使う状況や、大量のデータが処理される状況を想定し、コンピュータシステムの耐久性を測る試験のことを、負荷試験といいます。この試験では、普段の運用で想定される最大の利用者数やデータ量をはるかに超える負荷を、わざとシステムに与えます。そうすることで、システムが耐えられる限界の性能や、その時のシステムの動き方を把握します。
この試験の目的は、システムに想定外の過剰な負荷がかかった際に、システムが正しく動き続けられるかどうかを確認することです。もし問題があれば、どこで不具合が発生するのかを事前に把握することも重要な目的です。
例えるなら、橋の強度試験のようなものです。橋の設計図で想定されている重量の限界を超える車両を、わざと橋の上を通過させます。そうすることで、橋が実際に耐えられる重量の限界や、もし壊れてしまう場合はどの部分が最初に壊れるのかを調べます。橋の強度試験によって得られた情報は、橋の安全性を高めるために役立ちます。
負荷試験も同じように、システムの限界を把握することで、システムを安定して稼働させるための重要な情報を得られるのです。システムの弱点や問題点を早期に発見し、対応策を事前に考えておくことで、システムの信頼性を高め、利用者に安心して使ってもらえるようにします。想定外の事態にも対応できるシステムを作るためには、負荷試験は欠かせない工程といえます。