
いつでもどこでも繋がる社会
私たちの身の回りは、気づかないうちに多くのコンピュータに囲まれています。冷蔵庫、洗濯機、テレビといった家電製品だけでなく、時計や自動車にも小さなコンピュータが組み込まれ、様々な情報を処理しています。これが、あらゆる場所にコンピュータが存在し、それらがネットワークでつながることで実現する「遍在する情報環境」です。この環境では、家の中でも外でも、場所を問わず情報やサービスを利用できるようになります。
例えば、自宅では、冷蔵庫が食品の残り具合を認識し、自動的に買い物リストを作成してくれるでしょう。足りない食材を、インターネットを通じてお店に注文することも可能になります。また、外出先では、バス停でバスの到着時刻をすぐに確認したり、街中を歩きながら目的地までの道案内を受け取ったりできます。まるで、必要な情報が空気のように私たちの周りに存在し、いつでもどこでも必要な時に利用できるような感覚です。
このような便利な社会を実現するためには、高度な情報通信の技術と、それを支える設備が必要です。周囲の状況を把握する小さな感知装置や、電波を使って情報をやり取りする無線通信、そして大量の情報を保管・処理する情報集約型の処理技術などが重要な役割を果たします。これらの技術が進化し、互いに連携することで、遍在する情報環境は現実のものとなりつつあります。
しかし、便利な反面、情報管理には注意が必要です。多くの情報がネットワーク上を流れるため、情報の流出や不正利用といった危険も増大します。そのため、安全に情報を守るための対策も同時に進めていく必要があります。技術の進歩とともに、私たちの生活はより豊かになり、情報がより身近な存在になります。この変化に適切に対応していくことで、より良い社会を築いていくことができるでしょう。