
ポリゴン:立体を表現する技術
絵を描く世界では、奥行きのある立体的な物も、平らな紙や画面には平面的=平面的にしか描けません。どうすれば、平面上でも奥行きを感じさせることができるのでしょうか。一つの方法は、遠近法を使うことです。遠くの物は小さく描き、近くの物は大きく描くことで、遠近感を表現できます。しかし、コンピューターを使って絵を描く、いわゆるコンピューターグラフィックスの世界では、遠近法だけでなく、もっと複雑な方法を使います。その一つが「多面体」と呼ばれる技術です。多面体とは、三角形や四角形などの多角形を組み合わせて、立体物を表現する方法です。例えば、球を描きたいとします。一つの大きな円で描くだけでは、ただの円にしか見えません。しかし、無数の小さな三角形を組み合わせて球体を作ると、まるで本物の球のように見えます。なぜなら、小さな三角形の面一つ一つに光や影を付けることで、立体感や奥行きを表現できるからです。三角形だけでなく、四角形や五角形など、様々な多角形を組み合わせることで、もっと複雑な形も作れます。人間や建物、車など、どんな形でも多面体で表現することができます。ゲームや映画で私たちが見ているリアルな3次元映像は、ほとんどがこの多面体技術によって作られています。コンピューターは、多面体の形や大きさ、位置、そして光源の位置などを計算して、画面上に立体的な映像を作り出しているのです。まるで魔法のような技術ですが、実は数学と物理学に基づいた緻密な計算によって実現されているのです。