メッセージパッシング

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ソフトウェア

複数プログラム間の連携:プロセス間通信

複数の処理手順が互いに情報をやり取りし、協調して動作するための仕組み、処理手順間通信について解説します。 皆さんが普段パソコンで作業をする際、複数のソフトウェアを同時に立ち上げて使うことがあるかと思います。例えば、文章作成ソフトで文章を書き、その一部を画像編集ソフトに貼り付けるといった作業です。このように、複数のソフトウェア、つまり複数の処理手順が連携して動作することで、複雑な作業も効率的に行うことができます。 処理手順間通信は、まさにこのような複数の処理手順が連携するための重要な役割を担っています。それぞれの処理手順は、通常独立した記憶領域で動作します。これは、それぞれの処理手順が互いに干渉することなく、安定して動作するために必要な仕組みです。しかし、この独立性のために、処理手順同士が直接情報をやり取りすることはできません。そこで、処理手順間通信の出番です。 処理手順間通信は、独立した記憶領域を持つ複数の処理手順が、安全に情報をやり取りするための橋渡し役と言えるでしょう。ある処理手順で計算した結果を別の処理手順に渡したり、複数の処理手順で一つの資料を共有したり、といったことが可能になります。 例を挙げると、動画編集ソフトを考えてみましょう。動画編集ソフトは、動画の表示、音声の処理、効果音の追加など、複数の処理手順が連携して動作しています。これらの処理手順が、処理手順間通信によって情報をやり取りすることで、滑らかな動画再生やリアルタイム編集などが実現できるのです。 このように、処理手順間通信は、複雑な処理を複数の処理手順に分割して実行したり、既存の処理手順を組み合わせて新しい機能を実現したりする際に不可欠な仕組みです。複数の処理手順が協調して動作することで、より高度な処理や複雑な作業を効率的に行うことが可能になります。