
進化した記憶媒体:メモリースティックPRO
2000年代初頭、写真や音楽を持ち運べる小型の電子機器が広く使われ始めました。携帯電話や音楽を聴く機器、写真や動画を撮る機器など、さまざまな機器が登場し、人々はこれらの機器を使って多くのデジタルデータを作成し、持ち運ぶようになりました。それに伴い、これらのデータを保存するための記憶装置の需要も増加しました。
当時は、ソニー製の機器でメモリースティックと呼ばれる記憶装置がよく使われていました。しかし、画質の良い写真や長い動画、高音質の音楽データは容量が大きく、メモリースティックでは十分な量のデータを保存することが難しくなってきました。また、データを機器に取り込む速度も遅く、不便に感じる人が増えていました。
このような背景から、より多くのデータを保存でき、データの読み書きも速い記憶装置が必要とされるようになりました。そこで、2003年にソニーとサンディスクという会社が共同で、メモリースティックの改良版であるメモリースティックPROを開発しました。
このメモリースティックPROは、従来のメモリースティックよりもはるかに多くのデータを保存することが可能でした。また、データの読み書き速度も大幅に向上し、快適に機器を使うことができました。当時の携帯機器の進化は目覚ましく、それに合わせて記憶装置も進化する必要がありました。メモリースティックPROの登場は、まさに時代の要請に応えたものであり、記憶装置の進化を象徴する出来事と言えるでしょう。