ベースクロック

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基本クロック:コンピュータの心臓の鼓動

電子計算機の動作速度を決める上で、基本クロックは非常に大切な要素です。例えるなら、人の心臓が規則正しく脈を打つように、電子計算機にも一定のリズムで動作する部分があります。このリズムの速さを示すのが基本クロックであり、このリズムが速いほど、電子計算機は多くの仕事を短い時間で行うことができます。 基本クロックは、電子計算機の主要な部品、例えるなら土台となる板や計算をつかさどる部分の動作速度の基準となります。ですから、基本クロックは電子計算機全体の性能に大きな影響を与えます。基本クロックの速さは、ヘルツという単位で表されます。ヘルツは、一秒間に何回信号が変化するかを示す単位です。例えば、3ギガヘルツの基本クロックは、一秒間に三十億回の信号が変化することを意味します。この値が大きいほど、電子計算機の処理速度は速いです。 しかし、クロックの速度が速いほど、電力の消費も増えます。人の心臓も、速く脈打つほど多くのエネルギーを必要とするのと同じです。ですから、速ければ良いというわけではなく、処理速度と消費電力のバランスを考えることが大切です。 近年の電子計算機には、処理の内容に合わせてクロックの速度を自動的に変える技術が搭載されているものもあります。これは、状況に応じて心臓の鼓動の速さを変えるようなものです。必要な時は速く脈を打って高い処理能力を発揮し、そうでない時はゆっくりと脈を打ってエネルギーの消費を抑えます。これにより、必要な時に高い性能を発揮しつつ、消費電力を抑えることが可能になります。