ベクター形式

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図形データの基礎知識:ベクトル形式

図形を点と線、そして曲線といった数学的な情報で表現する方法。これが、ベクトル形式と呼ばれるものです。まるで設計図のように、図形の輪郭や位置、大きさといった様々な情報を数値データとして記録し、その情報に基づいて画像を組み立てます。 この方法の最大の利点は、拡大や縮小をしても画質が劣化しないことです。写真のように、点の集まりで表現する画像形式とは異なり、ベクトル形式では数値データをもとに図形を計算し、再描画します。そのため、元の情報を損なうことなく、どのような大きさでも滑らかで鮮明な表示を維持できます。例えば、小さなアイコンを大きく引き伸ばしても、輪郭がぼやけたり、ギザギザになったりすることはありません。常に本来の滑らかで鮮明な状態を保つことができます。 この特性は、ロゴやイラスト、地図など、拡大縮小が頻繁に行われる場面で非常に役立ちます。会社のロゴマークを名刺に印刷する場合、看板に大きく表示する場合、ウェブサイトに掲載する場合など、様々な大きさで表示する必要があります。ベクトル形式であれば、どの大きさでも綺麗に表示されるため、デザインの品質を損なう心配がありません。同様に、イラストや地図なども、拡大縮小しても細部まで鮮明に表示されるため、様々な用途に適しています。例えば、地図を拡大して細かい道を確認したり、イラストの一部を拡大して細部を確認したりするといった操作も、画質を気にすることなく行うことができます。このように、ベクトル形式は、画質の劣化を気にせずに画像を扱う必要がある様々な場面で活用されています。
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自在に拡大縮小!ベクター形式の魅力

図形を点や線、面といった情報をもとに数式で表す画像形式のことを、ベクター形式といいます。写真などで使われる点の集まりで画像を表すラスタ形式とは、この点が大きく異なります。ラスタ形式は拡大すると点の粗さが目立ちますが、ベクター形式は数式で形が決まっているため、どんなに拡大しても滑らかで鮮明な画質を保てます。 この特性は、様々な大きさで使う画像に特に役立ちます。例えば、会社のロゴマークを考えてみましょう。名刺に印刷する小さなものから、大きな看板に使うものまで、様々な大きさが必要です。ラスタ形式だと、大きな看板に使う場合、小さな画像を拡大するとぼやけてしまいます。しかし、ベクター形式なら拡大しても画質は変わらず綺麗なので、様々な用途に同じデータを使えます。イラストや地図なども、同じ理由でベクター形式で作成されることが多いです。 また、ベクター形式は編集のしやすさも大きな魅力です。図形は点や線、面といった部品の組み合わせでできており、これらの部品をそれぞれ編集できます。例えば、ロゴマークの一部だけ色を変えたい場合、ベクター形式ならその部分だけを選び出して簡単に色を変えることができます。ラスタ形式のように、点一つ一つを塗り直す必要はありません。形を少し変えるのも同じように、部品ごとに調整できるので簡単です。そのため、デザインの修正や変更が多い場面では、ベクター形式は大変便利です。このように、ベクター形式は高画質を保ったまま自由に編集できるため、デザインの現場で広く使われています。
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ベクター画像:図形情報で描く滑らかな世界

絵を描く時のことを想像してみてください。点描画のように、小さな点をたくさん並べて絵を描く方法もあります。一方、線や円、四角形などの図形を組み合わせて絵を描く方法もありますよね。コンピューターで絵を描くときも同じように、二つの描き方があります。一つは、点描画のように細かい点の集まりで絵を描く方法で、これは「ビットマップ画像」と呼ばれます。もう一つは、図形を組み合わせて絵を描く方法で、これが「ベクター画像」です。 ベクター画像は、図形を描くための情報を使って絵を表現します。例えば、丸を描く時は、中心の場所と、どれくらいの大きさの丸を描くのかという情報が必要です。線を描く時は、線の始まりの場所と終わりの場所を指定します。これらの情報はすべて数字で記録されます。コンピューターは、これらの数字の情報を読み取って、画面に図形を描きます。 ベクター画像の大きな特徴は、絵を拡大したり縮小したりしても、画質が落ちないことです。これは、数字の情報に基づいて、図形が毎回新しく描き直されるからです。例えば、小さな丸を大きく表示する場合、コンピューターは元の丸の情報を読み取り、それに基づいて大きな丸を新たに描きます。そのため、線がぼやけたり、ギザギザになったりすることがありません。 一方、点の集まりで絵を描くビットマップ画像は、拡大すると画質が劣化します。小さな絵を大きく表示しようとすると、もともとの点と点の間に、新しい点を追加する必要があるからです。この新しい点は、周りの点の色を参考に自動的に作られますが、どうしてもぼやけたり、ギザギザが目立ったりしてしまいます。 このように、ベクター画像は、図形情報を使って絵を描くため、拡大縮小しても画質が劣化しません。そのため、ロゴマークやイラストなど、拡大縮小されることが多い場面でよく使われます。