
ファイル転送の簡便化:FTP入門
電子計算機の間で文書や資料を受け渡しすることは、今の世の中ではなくてはならないものです。写真や動画を仲間と見せ合ったり、大切な書類を送ったり受け取ったりと、様々な場面で使われています。こうした文書の受け渡しには色々なやり方がありますが、中でも「文書転送の手順」(FTP)は昔から使われている主な方法の一つです。
FTPは、英語で「File Transfer Protocol」の略で、日本語では「文書転送の手順」と言います。これは、網の目状につながった計算機同士、例えば会社の中だけで使われる網や世界中とつながる網の上で、文書を受け渡しするための共通の約束事を決めたものです。この約束事のおかげで、異なる種類の電子計算機同士でも、問題なく文書の送受信ができます。まるで言葉の違う人同士が、通訳を通して話をしているようなものです。
FTPを使うためには、FTPに対応した特別な道具(ソフトウェア)が必要です。送り手側は、この道具を使って自分の電子計算機から文書を選び、受け手側の電子計算機の場所(アドレス)を指定して送信します。受け手側は、同じくFTP対応の道具を使って、送られてきた文書を受け取ります。FTPでは、文書を送るだけでなく、受け取ることも、削除することも、名前を変えることもできます。まるで、遠くにある倉庫に、品物を入れたり出したり、整理整頓したりするようなものです。
FTPは、文書転送の標準的な方法として定着しており、色々な仕組みの中で広く使われています。しかし、最近は安全性の面で課題も指摘されており、より安全な方法も開発されています。そのため、状況に応じて適切な方法を選ぶことが大切です。