パッチファイル

記事数:(1)

開発

更新適用をもっと手軽に:差分ファイル

変更があった部分だけを抜き出した小さな集まりを差分ファイルと言います。これは、大きな道具や複雑な仕組みを直したり新しくしたりする際に、全体を取り替えるのではなく、必要な部分だけを修理したり、部品を交換したりするようなものです。 たとえば、家の壁の一部が壊れたとします。壁全体を壊して新しくするのではなく、壊れた部分だけを修理する方が、費用も時間も節約できますよね。同じように、大きな装置や仕組みを構成する書類や設計図、あるいは道具の部品などを変更する際、差分ファイルを使うことで、変更が必要な部分だけを交換すれば済むようになります。 これは、通信網を使う場合に特に大きな利点となります。インターネットを通して大きな設計図をやり取りする場合、ファイルの大きさが大きければ大きいほど、通信に時間がかかり、通信網にも負担がかかります。しかし、差分ファイルを使えば、送る必要がある情報は変更部分だけなので、データの大きさは元のファイルよりずっと小さくなります。そのため、通信にかかる時間と通信網への負担を減らすことができるのです。 例えば、数千ページもある分厚い辞書で、たった一つの単語の意味だけが修正されたとしましょう。この場合、辞書全体を印刷し直して配るよりも、修正された単語とページだけが書かれた小さな紙を配る方が、紙の節約にもなり、受け取る側も簡単に修正箇所を確認できます。 このように、差分ファイルは、大きな情報のかたまりを扱う際に、効率よく変更を伝えるための重要な技術と言えるでしょう。