
備えあれば憂いなし:冗長性の重要性
何かが壊れた時、すぐに使える代替品があるというのは、とても心強いものです。これを、専門用語で冗長性といいます。普段は使わない予備を準備しておくことで、不測の事態に備えることができるのです。
身近な例でいえば、自動車のスペアタイヤが分かりやすいでしょう。普段はトランクの中で静かにしていますが、もしタイヤがパンクしてしまったらどうでしょうか。そんな時、スペアタイヤは私たちを窮地から救ってくれる、なくてはならない存在となります。
情報処理の分野でも、この冗長性の考え方はとても重要です。例えば、インターネットで情報をやり取りする計算機を複数台用意しておき、普段は主となる計算機だけが動いているとします。もし、その主となる計算機に何か不具合が起きた場合はどうなるでしょうか。すぐに予備の計算機が動き出し、代わりに仕事を引き継ぎます。これによって、利用者は何事もなかったかのように、変わらずに計算機を利用し続けることができるのです。まるで、駅伝で走者がタスキをつなぐように、滞りなく処理を引き継ぐことで、情報サービスを途切れさせずに提供し続けることができるのです。
こうした備えは、企業の信用を守る上でも重要です。計算機が止まってしまい、顧客へのサービスが滞ってしまうと、企業の評判に傷がつく可能性があります。冗長性を持たせることで、そうした不測の事態による損失を最小限に抑えることができ、顧客からの信頼を維持することに繋がるのです。まさに、備えあれば憂いなしということわざの通りです。