
未来を拓く、非ノイマン型コンピューター
現代の暮らしを支える計算機は、ほとんどがノイマン型と呼ばれる方式で動いています。この方式は、計算の手順書であるプログラムと、計算の対象となるデータの両方を、記憶装置に置いて順番に読み込んでいくというものです。このおかげで、色々な作業に対応できる汎用性の高さがあり、これまで様々な分野で使われてきました。
しかし、この方式にも弱点があります。プログラムとデータを記憶装置から順番に読み込むため、どうしても時間がかかってしまい、処理速度に限界があるのです。また、データのやり取りに多くの電力を使うため、省エネルギーの面でも課題を抱えています。こうしたことから、より速く、より効率的な新しい計算機の登場が待ち望まれていました。
そこで注目されているのが、非ノイマン型と呼ばれる新しい計算機です。これは、従来のノイマン型とは全く異なる仕組みで動く計算機の総称で、様々な研究開発が行われています。具体的な例としては、脳の神経回路を真似たニューロモルフィック計算機や、量子力学の原理を利用した量子計算機などが挙げられます。これらの新しい計算機は、従来の計算機では不可能だった複雑な計算を、高速かつ省エネルギーで行うことができる可能性を秘めています。まさに、計算機の新たな形と言えるでしょう。
非ノイマン型計算機の実現に向けては、まだ多くの技術的な課題が残されています。しかし、研究開発の進展によって、近い将来、私たちの生活を一変させるような革新的な計算機が登場するかもしれません。