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いつでもどこでもつながる社会:ユビキタスネットワーク

「概念」という言葉は、物事の本質や全体像を抽象的に捉えた考え方のことです。具体的な物や形ではなく、頭の中で考える、いわば思考の設計図のようなものと言えるでしょう。例えば、「家」という概念を考えると、具体的な建物の形や大きさ、色などは様々ですが、人が住むための場所、家族が共に過ごす空間といった共通の認識があります。これが「家」という概念です。 ユビキタスネットワークも、まさに概念の一つです。パソコンや携帯電話といった決まった機械だけでなく、身の回りのあらゆる物、例えば冷蔵庫や洗濯機、時計や照明器具、車や電車、道路や建物など、あらゆる場所に計算機の機能が埋め込まれている状態を想像してみてください。そして、これらの機器が全て網の目のように繋がって情報をやり取りし、私たちの生活を支えてくれる、そんな世界です。これがユビキタスネットワークの概念です。 この概念は、いつでもどこでも情報にアクセスできる社会、必要なサービスを必要な時に受けられる社会の実現を目指しています。例えば、出かける前に冷蔵庫が食品の在庫を確認して足りないものを知らせたり、道路の混雑状況に合わせて車が最適な経路を案内したり、家の照明が人の動きに合わせて自動的に点灯・消灯したり、といったことが可能になります。ユビキタスネットワークは、私たちの生活をより便利で快適にするだけでなく、社会の様々な課題を解決する可能性を秘めているのです。 このように、ユビキタスネットワークは具体的な技術や機器ではなく、将来の社会像を描いた一つの概念です。そして、この概念を実現するために、様々な技術開発や研究が進められています。私たちが普段使っている携帯電話やインターネットも、ユビキタスネットワークを実現するための一つの要素と言えるでしょう。