
社内ネットワーク:LAN入門
会社の事務所や学校、工場といった限られた場所の中で、複数の計算機やそれにつながる機器を結びつけ、情報をやり取りするための仕組み、それが構内通信網(いわゆるエル・エー・エヌ)です。これは、世界中に広がる情報網に接続するためのものとは違い、閉じた環境の中で情報を共有したり、機器をみんなで使ったりするためのもので、組織内での情報伝達や共同作業を円滑に進めるための重要な役割を担っています。
エル・エー・エヌを構築することで、部署内での資料の共有、印刷機の共同利用、会社の中の情報集積庫への接続などがスムーズになり、仕事のはかどり具合を大きく向上させることができます。例えば、企画書などの資料をすぐに共有することで、会議の準備時間を短縮したり、参加者全員が同じ情報に基づいた議論を行うことが可能になります。また、印刷機を共同利用することで、各部署に印刷機を設置する必要がなくなり、経費削減にも繋がります。さらに、情報共有が速くなることで、組織全体の協力体制を強める効果も期待できます。
近年は、空に浮かぶ雲のような場所に情報を保管する、いわゆるクラウドの利用が増えていますが、秘密性の高い情報などを扱う場合は、会社の中の情報網の重要性は依然として高く、安全な情報管理の土台として欠かせないものとなっています。会社の機密情報や顧客の個人情報などを守るためには、外部からの不正アクセスを防ぐためのしっかりとした対策が必要です。エル・エー・エヌは、そのような安全対策を施しやすいという点で、クラウドサービスよりも優れていると言えます。
さらに、あらゆるものが情報網につながる時代になり、エル・エー・エヌはそれらの機器を操作したり、管理したりする役割も担うようになってきました。これにより、製造現場の自動化や、賢い事務室の実現など、新たな可能性が広がっています。例えば、工場内の機械をエル・エー・エヌでつなぎ、稼働状況を監視することで、故障の予兆を早期に発見し、生産ラインの停止を防ぐことができます。また、オフィスの照明や空調をエル・エー・エヌで制御することで、エネルギー消費を最適化し、環境負荷を低減することも可能です。このように、エル・エー・エヌは現代社会の様々な場面でなくてはならない役割を担っており、これからの時代、その重要性はさらに増していくと考えられます。