
懐かしいドットインパクトプリンター
点で模様を描くように印字する機械を、ドットインパクトプリンターといいます。この機械の中には、小さな針がいくつも並んでいて、この針で紙に点を打ち付けていきます。まるで絵を描くように、一つ一つの点を集めて、文字や絵を作っていくのです。
この針は、電気仕掛けの磁石で動きます。磁石が針を引っ張ったり戻したりすることで、針は前後に動きます。針の後ろ側には、インクのついたリボンがあります。針が動いてリボンを叩くと、リボンに付いたインクが紙に転写され、紙に小さな点がつきます。
この小さな点をたくさん組み合わせて、様々な模様を作ります。漢字や仮名、数字はもちろん、アルファベットや記号など、色々な文字を印字できます。また、点の大きさや濃さを変えることで、線の太さや色の濃淡を表現することもできます。まるで画家が点描で絵を描くように、一つ一つの点が集まって文字や絵が浮かび上がってくる様子は、見ていてとても面白いです。
このプリンターの針の数は、機械によって違います。針の数を多くすればするほど、より細かい点で印字できるので、滑らかな曲線や小さな文字をより綺麗に印字できます。例えば、針が9本しかないプリンターに比べて、24本の針を持つプリンターの方が、もっと滑らかで綺麗な模様を印字できます。針が多いほど、写真のようになめらかな階調表現も可能になります。
点で絵を描くように印字するこの機械は、事務仕事などで広く使われています。複写式の用紙を使うことで、一度に何枚も同じ書類を印刷することもできます。また、ラベル印刷などにも使われます。独特の音を立てながら、点で文字を紡ぎ出す様子は、今でも多くの場所で活躍していることを物語っています。