
浮動小数点数:コンピューター計算の基礎
計算機は、数を扱う際に様々な方法を用います。その中でも、実数を近似的に表す重要な方法の一つに、浮動小数点数があります。浮動小数点数は、数を三つの部分に分けて表現します。すなわち、符号、仮数、そして指数です。符号は、その数が正か負かを表す部分です。仮数は、数の重要な桁を表し、指数は、基数を何倍するかを表す部分です。
例えば、普段私たちが使っている十進数で0.0028という数を考えてみましょう。基数を10とすると、この数は、符号が正、仮数が0.28、指数が-2と表せます。これは、「+0.28 × 10の-2乗」という意味で、計算すると元の数0.0028と同じになります。
計算機の中では、一般的に基数として2が使われます。これは、計算機が二進数で計算を行うからです。二進数での浮動小数点数の表現も、十進数の場合と同様に、符号、仮数、指数で構成されます。例えば、十進数で0.5という数は、二進数では0.1となります。これを浮動小数点数で表すと、「+0.1 × 2の0乗」となります。
浮動小数点数を使うことで、非常に大きな数や非常に小さな数を効率的に表現することができます。しかし、近似値で表現するため、計算結果に誤差が生じる可能性があることには注意が必要です。例えば、0.1のような単純な十進数の数でも、二進数の浮動小数点数で正確に表すことが難しい場合があります。このような誤差を理解し、適切に扱うことが、計算機で正確な計算を行う上で重要になります。