ダイヤルアップ接続

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PPP:電話回線でインターネット接続

電話回線を用いて機械同士を繋ぐ通信の決まり事の一つに、PPPと呼ばれるものがあります。正式には「地点間通信規約」と言い、二つの場所を直接繋ぐ通信の方法を指します。このPPPが登場する前は、電話回線を使った網への接続は大変難しく、設定も複雑でした。しかしながら、PPPのおかげで、機械と送受信機、そして電話回線さえあれば、誰もが手軽に網に接続できるようになったのです。 PPPは、主に電話を掛けて繋ぐ接続方法で使われていました。網の普及が始まった頃、多くの人が初めて網に触れるきっかけとなったのが、このPPPでした。今では、光回線や無線通信といった、より速く安定した通信手段が広く使われていますが、PPPも特定の地域や用途で未だに使われています。例えば、光回線が通っていない地域や、一時的に網に繋ぎたい時などには、PPPは手軽で費用も抑えられる接続方法として、今でもその価値を保っているのです。 PPPが広く使われていた時代、接続する度に独特の接続音が聞こえてきました。これは、送受信機が電話回線を通して相手に接続要求を送信し、相手が応答することで接続が確立される過程で発生する音でした。この音は、多くの人にとって網に繋がる高揚感と期待感の象徴だったと言えるでしょう。現代の高速な通信環境では、このような音はほとんど耳にすることがなくなりましたが、PPPは網の普及に大きく貢献し、現代の通信技術の礎を築いたと言えるでしょう。その手軽さと費用を抑えた利便性から、PPPは限られた場面ながらも、これからも使われ続けることでしょう。
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昔懐かしいパソコン通信の世界

かつて、家の中で情報をやり取りする方法として、電話回線を使ったパソコン通信というものが盛んに使われていました。パソコン通信とは、パソコンを電話回線につなぐための機械(モデム)を使って、会員専用のサービスに接続し、文字やデータのやり取りをする仕組みです。今の時代のように、誰もがインターネットを使えるようになる前は、パソコン通信が主な情報源であり、人と人が交流する大切な場所でもありました。 パソコン通信では、電話回線を通して文字だけでなく、簡単な絵や図形なども送受信できました。まるで、文字だけのインターネットのようなものだったと言えるでしょう。この仕組をもう少し詳しく説明すると、まずパソコンと電話回線をモデムでつなぎます。モデムは、パソコンが扱うデジタル信号を電話回線が扱うアナログ信号に変換する装置です。そして、電話回線を通じてサービス提供者のコンピュータに接続し、情報センターと呼ばれる場所にアクセスします。 情報センターには、様々な情報が保管されており、利用者は自分の欲しい情報を選んで入手したり、電子掲示板を通じて他の利用者と意見交換したり、電子メールで個別に連絡を取り合ったりすることができました。例えば、趣味の仲間同士で情報を交換したり、遠く離れた家族と連絡を取り合ったり、様々な活用がされていました。 パソコン通信は、当時の技術としてはとても画期的なサービスであり、多くの利用者にとって未知の世界への扉を開く存在でした。現代のインターネットの隆盛を考えると、パソコン通信は古臭い仕組みに思えるかもしれません。しかし、パソコン通信は、限られた環境の中で、人々が情報を共有し、コミュニケーションを深めるための貴重な手段を提供していたのです。それは、現代のインターネット社会の礎を築いたと言えるでしょう。