タスクスケジューリング

記事数:(2)

ソフトウェア

一つのCPUで複数の仕事をする仕組み

皆さんは机に向かい、書類を作成しながら、音楽を聴き、時折、調べ物をすることもあるでしょう。まるで同時に複数のことをこなしているように感じますが、人間の脳もコンピュータの中央処理装置(CPU)のように、真の意味で同時に複数の作業を処理することはできません。では、どのように複数のことを並行して行っているように見えるのでしょうか。それは短い時間で作業を切り替えているからです。 コンピュータもこれとよく似た仕組みで動いています。一つのCPUは一度に一つの処理しかできませんが、非常に短い時間で次々と処理を切り替えることで、複数のプログラムが同時に動いているように見せています。これを「擬似マルチタスク」と言います。例えば、文章を書きながら音楽を聴く場合、CPUはほんのわずかな時間で文章作成の処理と音楽再生の処理を交互に行います。切り替えの速度が非常に速いため、私たちには複数の作業が同時に行われているように感じられるのです。 この切り替え作業はオペレーティングシステム(基本ソフト)と呼ばれるソフトウェアによって管理されています。基本ソフトは、どのプログラムにどれだけの処理時間を割り当てるかを決め、CPUに指示を出します。この高度な時間管理によって、私たちはパソコンで複数の作業を滞りなく行うことができるのです。もし、この仕組みがなければ、一つの作業が終わるまで他の作業を始められないため、作業効率は大幅に低下するでしょう。例えば、インターネットで大きな資料をダウンロードしている間は、他の作業が一切できなくなってしまう、といった具合です。擬似マルチタスクは、私たちがコンピュータを快適に利用するために欠かせない重要な技術と言えるでしょう。
インフラ

ジョブ:コンピューターへの仕事の指示

計算機を使う際には、計算機にさせたい仕事を指示する必要があります。この指示の単位が「仕事」です。仕事は、計算機への仕事の依頼書のようなもので、具体的な処理内容や必要な資源などを指定します。例えば、文章を作成したり、計算を実行したり、画像を処理したりといった作業は、それぞれ仕事として計算機に指示されます。 仕事は、計算機を使う人にとって、手順を実行する単位を表す重要な概念です。つまり、利用者が計算機に実行させたい一連の処理を仕事として定義することで、計算機はそれを受けて処理を実行します。たとえば、文章作成の仕事であれば、文章作成の手順を記した指示書を計算機に渡すことになります。計算機はこの指示書に基づいて、文章作成の手順を一つずつ実行していきます。 仕事は、複数の処理をまとめたものであり、それぞれの処理が連携して動作することで、目的の処理が完了します。例えば、大きな計算を行う仕事の場合、計算をいくつかの小さな処理に分割し、それぞれの処理を計算機の複数の部品に割り当てて並行して実行することで、全体の処理時間を短縮することができます。それぞれの処理は、前の処理の結果を受けて次の処理を実行するなど、互いに連携しながら動作します。 仕事を適切に定義することで、計算機を効率的に利用し、様々な作業を自動化することが可能になります。例えば、毎日の売上集計を仕事として定義し、夜間に自動的に実行するように設定することで、担当者の手間を省き、業務の効率化を図ることができます。また、複数の仕事を組み合わせて複雑な処理を実現することも可能です。例えば、商品の受注から出荷までの流れを複数の仕事に分割し、それらを連携させることで、一連の業務を自動化することができます。このように、仕事を適切に定義し、活用することで、計算機の能力を最大限に引き出し、様々な場面で作業の自動化や効率化を実現できます。