
仮想LANでネットワークを分割
建物の中に複数の会社が入居しているような環境を考えてみましょう。それぞれの会社は、他の会社と情報を共有することなく、安全に自分の会社のネットワークを使いたいはずです。しかし、物理的にそれぞれの会社ごとにネットワーク機器を設置するのは、費用も手間もかかります。このような時に役立つのが仮想LAN(仮想構内通信網)です。
仮想LANとは、一つの物理的なネットワーク機器を複数の会社で共有しながら、まるでそれぞれの会社が専用のネットワークを持っているかのように使える技術です。例えるなら、大きな部屋を間仕切りで区切って、複数の小さな部屋として使うようなものです。物理的な部屋は一つですが、間仕切りによってそれぞれ独立した空間として利用できます。仮想LANも同様に、物理的なネットワークは一つですが、論理的に分割することで複数の独立したネットワークとして機能します。
このように、仮想LANを利用することで、物理的な配線を変えることなく、それぞれの会社専用のネットワークを構築できます。そのため、配線にかかる費用や設置の手間を削減できます。また、他の会社のネットワークから情報を守ることができ、安全性も向上します。さらに、会社の移転や部署の変更などがあった場合でも、物理的な配線を変える必要がないため、柔軟にネットワーク構成を変更できます。
このように、仮想LANは、費用削減、安全性向上、柔軟性向上といった多くの利点を持つ、現代のネットワークには欠かせない技術です。