スワッピング

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仮想化

スワップでメモリーを拡張

計算機の主要な記憶装置である主記憶装置は、情報を一時的に保管し、中央処理装置が直接読み書きを行う場所です。処理速度は速いものの、記憶容量には限りがあります。 一方で、補助記憶装置であるハードディスクは、主記憶装置よりも記憶容量は大きいですが、読み書きの速度は劣ります。 スワップとは、主記憶装置の容量が足りなくなった際に、ハードディスクの一部を仮の記憶場所として活用する技術です。 主記憶装置は高速ですが容量が限られ、ハードディスクは大容量ですが低速であるという、両者の特性をうまく組み合わせています。限られた主記憶装置の容量を大きくする役割を担います。 具体的には、あまり使われていない情報を主記憶装置からハードディスク上の一時的な保管場所(スワップファイルもしくはスワップ領域)に移動します。 これによって、主記憶装置に空き容量を生み出し、たくさんのプログラムを同時に動かすことが可能になります。この一時保管場所に移動された情報が必要になった時は、ハードディスクから主記憶装置に読み戻されます。 情報を主記憶装置とハードディスクの間で移動させる一連の動作をスワッピングと言います。 スワッピングのおかげで、主記憶装置の容量以上の情報を扱うことができます。しかし、ハードディスクへの読み書きは主記憶装置に比べて時間がかかるため、スワッピングが頻繁に発生すると、計算機全体の処理速度が遅くなる可能性があります。これをスラッシングと言います。スラッシングが発生すると、計算機の動作が遅くなり、作業に支障が出る可能性があります。 スワップは、主記憶装置の容量不足を解消するための重要な技術ですが、過度なスワッピングは処理速度の低下につながるため、注意が必要です。 主記憶装置の容量を増設したり、不要なプログラムを終了するなどして、スワッピングの発生を抑える工夫が大切です。