
ウィンドウズを支える縁の下の力持ち:Win32
机の上で動く色々な道具は、実は直接机とやり取りしているわけではありません。間に机の表面を覆うシートがあるとしましょう。このシートは机を保護し、道具を使う際の様々な便宜を提供してくれます。そして、このシートと道具の間を取り持つ重要な役割を果たしているのが、シートに描かれた様々な模様だとします。この模様は、道具使いの指示をシートに伝えるための合図のようなものです。
例えば、道具で線を引く時、シートの模様に従って道具を動かせば、線がまっすぐ綺麗に引けます。あるいは、シートの特定の模様の上に道具を置けば、道具が滑り落ちるのを防ぐことができます。道具を使う色々な動作は、シートの模様を通してシートに働きかけることで実現されます。この模様は、いわば道具とシートの間で交わされる共通の合図のようなもので、これによって道具を使う人はシートの複雑な構造を理解する必要なく、様々な機能を簡単に利用できるようになります。
同じように、計算機上で動く色々な処理手順は、実は直接計算機とやり取りをしているわけではありません。間に立って仲介役を担っているのが、基本となる手順の集まり、つまり計算機の土台となる仕組みです。そして、この土台となる仕組みと処理手順の間を取り持つ重要な役割を果たしているのが、計算機の土台となる仕組みの一つである「ウィンドウズ32」と呼ばれるものです。これは、処理手順が計算機の土台の機能を使うための窓口のような役割を果たします。例えば、画面に文字を映したり、書類を開いたり、他の計算機と繋いだりといった、処理手順が実行する様々な動作は、「ウィンドウズ32」を通して計算機の土台に指示を出すことで実現されます。「ウィンドウズ32」は、いわば処理手順と計算機の土台の間で交わされる共通の言葉のようなもので、これによって処理手順を作る人は計算機の土台の複雑な内部構造を理解する必要なく、様々な機能を簡単に利用できるようになります。これは、机のシートの模様が道具使いを助けるのと同じように、処理手順を作る人の負担を減らし、より良い道具作りに集中できるようにするための工夫なのです。