
自由なソフトウエア:その真意を探る
「無償で使えるもの」と「自由に使えるもの」の違い、それが「フリーソフトウエア」を考える上で重要な点です。多くの人が「フリーソフトウエア」と聞くと、お金をかけずに使えるものだと考えがちです。確かに、多くのフリーソフトウエアは無料で利用できますが、重要なのはそこではありません。フリーソフトウエアの真髄は、利用者に「自由」を与えることにあります。
具体的に説明すると、フリーソフトウエアは設計図にあたる「原始記号列」が公開されています。利用者はこの原始記号列を自由に複製したり、自分の使い方に合わせて書き換えたり、書き換えたものを他の人に配ったりすることができます。つまり、単に無料で使えるだけでなく、自分の好きなように作り変えたり、他の人と共有したりする自由が保障されているのです。これが、ただ無料で使えるだけの「無料利用許可もの」とは大きく異なる点です。無料利用許可ものの場合、無料で使えるとしても、原始記号列が非公開だったり、書き換えや再配布が制限されていることがあります。
フリーソフトウエアは、利用者に自由を与えることで、技術の共有と発展を促すことを目的としています。例えば、ある人がフリーソフトウエアを使って便利な機能を追加した場合、その変更点を公開することで、他の人も同じ機能を利用できるようになります。また、バグが見つかった場合にも、多くの利用者が修正に取り組むことができるため、迅速な改善につながります。このように、フリーソフトウエアは、集合知を活用することで、より良いものを作り上げていく仕組みと言えるでしょう。誰でも自由に使える、誰でも自由に書き換えられる、誰でも自由に配れる。この三つの自由が、フリーソフトウエアの根幹を成し、技術革新の原動力となっているのです。