
貼り付け:自在なデータ移動
机の上で紙を切ったり貼ったりするように、計算機の中でも文字や絵などを別の場所に移動したり、複製したりすることができます。これを貼り付けと言います。貼り付けは、複写という操作と対になっており、よく複写と貼り付けを合わせて使います。
たとえば、文章を作っている時、ある文を別の場所に移動したいとします。まず、移動したい文を選び、複写の操作をします。すると、選んだ文が計算機の中の目には見えない場所に一時的に保管されます。次に、文を移動させたい場所を選び、貼り付けの操作をします。すると、一時的に保管されていた文が、指定した場所に現れます。元の場所にあった文はそのまま残っているので、結果として同じ文が二箇所に存在することになります。これが複写と貼り付けによる文章の移動です。
もし、元の場所から文をなくして、別の場所に移動したい場合は、切り取りという操作を使います。切り取りは、複写と似ていますが、複写が元の場所のデータをそのまま残すのに対し、切り取りは元の場所のデータを削除します。つまり、切り取りと貼り付けを組み合わせることで、データを別の場所に移動させることができます。
貼り付けは、文章だけでなく、絵や図形、動画、音声など、様々な種類のデータに使用できます。絵を描くソフトで作成した絵を文章に挿入したり、インターネット上の写真を自分の資料に貼り付けたりすることも可能です。また、複雑な計算式を何度も入力する代わりに、一度入力した式を複写して貼り付けることで、手間を省くこともできます。このように、貼り付けは、計算機操作の基本となる機能であり、作業の手間を省き、効率を上げる上で非常に役立ちます。