キャッシュメモリ

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ハードウエア

縁の下の力持ち、内部バス

電子計算機の心臓部にあたる中央処理装置、略して演算装置。その内部には、様々な電気回路がぎっしりと詰め込まれています。これらの回路が滞りなく連携し、複雑な計算や処理を行うには、情報のやり取りをするための道が必要です。その役割を担うのが、内部連絡路と呼ばれるデータの通り道です。人体の血管のように、演算装置内部の各部品を結びつけ、データという血液を循環させる重要な役割を担っています。 内部連絡路は、大きく分けて三つの種類に分類できます。一つ目は、命令の通り道です。演算装置が行うべき動作を指示する命令が、この通り道を通って運ばれます。二つ目は、数値の通り道です。計算に用いる数値や、計算結果がここを通ります。三つ目は、番地の通り道です。データが格納されている場所を示す番地情報が、この通り道を通って運ばれます。これらの三つの通り道が、演算装置内部でデータという血液を滞りなく循環させるために不可欠です。 内部連絡路の速度や幅が、演算装置の性能を大きく左右します。速度が速ければ速いほど、より多くのデータを短時間で送ることができます。また、幅が広ければ広いほど、一度に送ることができるデータ量が増えます。高性能な演算装置ほど、より高速で広帯域な内部連絡路を備えていると言えるでしょう。高速な内部連絡路は、演算装置の処理能力を高める鍵となります。まるで、太くて流れの良い血管が、人体の健康を支えるように、内部連絡路は電子計算機の心臓部を支える重要な役割を担っているのです。