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自在に回路を操るPLDの魔力

変更可能な仕組みを持つ計算機部品について説明します。この部品は「書き換え可能な論理回路」と呼ばれ、小さな部品を組み合わせた「集積回路」の一種です。これまでの集積回路は、設計図が決まると回路の構造も固定されてしまい、後から変更することはできませんでした。しかし、この新しい部品は、完成後でも回路の繋がり方を自由に変更できるという画期的な特徴を持っています。 この部品は「プログラマブル論理デバイス」とも呼ばれ、様々な用途に合わせた使い方ができます。回路の変更は、専用の機械を使って行います。この機械を使って回路の中の小さなスイッチのような部品を操作することで、部品全体の動きを思い通りに制御できます。まるで計算機のプログラムを書くように、部品の動き方を自由に変えられるため、開発にかかる時間や費用を大幅に減らすことができます。 従来の部品では、設計が終わって製品が完成すると、もしも不具合が見つかった場合、最初から設計をやり直す必要がありました。しかし、この部品を使えば、完成後でも簡単に修正できます。また、時代の変化に合わせて求められる機能が変わった場合でも、部品を交換することなく、機能を更新できます。このため、様々な製品に柔軟に対応できる点が大きな利点となっています。まるで粘土のように、必要に応じて何度も形を変えることができるため、将来の技術開発にも大きく貢献すると期待されています。
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特注LSIで実現する最適なシステム

近年、身の回りの電化製品は驚くほどの速さで進化を続けており、より高い性能と小型化、そして電池が長持ちする省電力が求められています。このような時代の要求に応える大切な部品の一つが、特定の目的のために設計された集積回路、つまり注文生産の集積回路です。これは、誰もが使えるように作られた一般的な集積回路とは異なり、特定の用途に合わせて作られるため、性能や電力消費、大きさの面でより良いものとなっています。 注文生産の集積回路を使う一番の利点は、その機器に最適な性能を引き出せることです。例えば、持ち運びできる電話を例に挙げると、通話や情報のやり取りといった基本的な機能に加え、写真や動画撮影、ゲーム、位置情報サービスなど、様々な機能が求められます。注文生産の集積回路であれば、これらの機能を効率的に動かすために必要な部品だけを組み込むことができ、無駄を省いて電池の持ちを良くすることができます。 さらに、注文生産の集積回路は、機器全体の大きさを小さくするのにも役立ちます。必要な部品だけを組み込むことで、回路全体の大きさを小さくできるだけでなく、部品の数を減らすことで他の部品の配置の自由度も高まり、機器全体の小型化につながります。また、セキュリティの向上も期待できます。注文生産の集積回路は特定の機器専用に設計されるため、不正なアクセスや改ざんといった危険性を減らすことができます。 注文生産の集積回路は、家電製品だけでなく、自動車や産業機器、医療機器など、様々な分野で使われています。自動運転技術の発展や、工場の自動化、医療機器の高度化など、様々な技術革新を支える重要な役割を担っています。この記事では、注文生産の集積回路がどのようなものなのか、どのような利点があるのか、そしてどのように作られるのかといった点について、これから詳しく説明していきます。