
なめらかな描画:アンチエイリアス
絵を描く時、使う道具によって線の滑らかさが変わるように、計算機で絵を描く時にも、線の滑らかさを調整する方法があります。計算機で絵を描く時は、小さな四角い点の集まりで絵を表現しています。一つ一つの点はとても小さく、肉眼ではほとんど気が付きませんが、線を引こうとすると、この四角い点の集まりであるがゆえに、どうしても階段状のギザギザが目立ってしまうことがあります。
このギザギザを和らげ、滑らかな線を描くための方法が、輪郭を滑らかに見せる技術です。この技術は、ギザギザになっている部分の色を、周りの色と混ぜ合わせることで実現します。例えば、黒い線と白い背景の境界にギザギザがある場合、境界部分の点を灰色にすることで、滑らかに見せることができます。
灰色の濃さは、その点が線にどれくらい近いかによって調整します。線に近いほど濃い灰色を、背景に近いほど薄い灰色を使うことで、より自然な滑らかさを表現できます。
この技術は、静止画だけでなく動画にも使われています。動画では、一つ一つの場面が静止画の集まりであるため、それぞれの場面でこの技術を適用することで、動きも滑らかに表現することができます。
輪郭を滑らかに見せる技術は、絵をより自然で美しく見せるために欠かせない技術です。この技術のおかげで、私たちは計算機で描かれた絵を、違和感なく楽しむことができるのです。